ステロイド吸引薬の麻薬型依存

    呼吸器内科で喘息発作対症療法として広く処方され続けているステロイド吸引スプレーの効果は、人体の免疫力を麻痺させて気道を広げると言う乱暴なものでもある。呼吸不全による苦しさを感覚麻痺させて得られる相対的な恍惚感は必ずと言えるほど快楽依存の中毒を伴うものである。たびたび感覚麻痺を繰り返すと人体は免疫機能を保ち続ける仕事を放棄してしまう。免疫機能の保全には複雑なエネルギー交換作業を要するので、脳は恍惚感に麻痺し続けた方が困難な免疫機能保全よりも楽でエネルギー消費も減らせることを選ぶ性質があるのだ。まるで現代のアヘン窟に彷徨い続ける如くステロイド中毒はその依存の甘き恍惚感から抜け出ることが出来なくなる。

    実はこの相対的な恍惚感の果てには免疫機能が正常に機能しなくなり白血球数の異常な増加を引き起こす白血病のリスクが両手を広げて待ち受けていることにも気づいた上で小児喘息に立ち向かわねばならないでしょう。皮膚に疾患を生じるステロイド製剤「プレドニン」の副作用を断ち切って治験を論ずる気骨のある生理学博士は居なくなってしまったのか?